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技術士の技事録

情報工学部門の技術士が、IT技術動向、資格対策等を、勝手気ままに語ります。

技術士第一次試験適性科目 平成22年度 Ⅱ-8

技術士試験 一次試験 適性科目

問題

組織に属するものは,組織から求められる行動と自らの倫理観が食い違って悩むことがある。有名な事例として,米国で1986年1月27日に起こったスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発墜落事故がある。スペースシャトルの部品を供給する会社の技術者は,事故後に関連情報を調査に当たった委員会に提供し,事故原因の究明が進んだが,会社からの制裁を受けることになった。

米国ではこのようないくつかの間題発生を踏まえて,1989年に,内部告発者保護法が制定された。

日本では,自動車のリコール隠し問題,原子力発電所でのデータ改ざん問題,食肉産地偽装問題など,いくつかの不祥事とそれに伴う内部告発(公益通報)の事例発生,そして諸外国の状況などが問題視されるなか,2004年(平成16年)6月に公益通報者保護法が制定された。この法の目的は,第1条に次のように謳(うた)われている。

「この法律は,公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機闘がとるべき措置を定めることにより,公益通報者の保護を図るとともに,国民の生命,身体,財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り,もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。」

内部告発(公益通報)に関する次の記述のうち,正しいものを選べ。

選択肢

日本の公益通報者保護法の第1条の「公益通報者の保護」とは,具体的には労働者を公益通報したことを理由として解雇してはならないことを意味している。この法律では解雇以外の不利益な取り扱い,例えば降格,減給といった取り扱いについての規定がないので,その点の改善が必要である。
労働者が公益通報をする相手は,一般に労働者が所属する事業者の外部,すなわち行政機関と報道機関などの外部に限定され,日本の公益通報者保護法もそのように限定している。
日本の公益通報者保護法は民事ルールを定めたものなので,公益通報者保護法違反を理由に事業者に対して刑罰や行政処分が課せられることはないが,それとは別に,通報対象となる法令違反行為については,関係法令に基づき刑罰や行政処分が課せられることがある。
労働者から公益通報を受けたものは,公益通報者保護法を所管する官庁に,公益通報を受けた事実を報告しなければならない。
日本の公益通報者保護法は,事業者と直接雇用関係にある労働者を保護するものなので,派遣労働者の場合は労務提供先の事業者ではなく,派遣事業者がとるべき措置を定めていることになる。

 

答え

 ③

解説

① 降格、減給も禁止されているため、不適切です。

② 事業者内部への通報も含まれるため、不適切です。

③ 適切です。

④ 報告義務はないため、不適切です。

⑤ 派遣労働者については労務提供先事業者がとるべき措置を定めているため、不適切です。