技術士の技事録

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技術士第一次試験適性科目 平成23年度 Ⅱ-12

問題

リスクの客観的な評価を完壁に行うことは原理上不可能とはいえ,現在考案されているさまざまな手法を用いである程度まで合理的に行うことはできるし,その努力を怠るべきではない。しかしその一方で,そのようにして得られた分析結果を専門家でない一般市民がどのように認識するかというリスク認識」の問題については,専門的知識からのリスク評価とはまったく異なる視点が要求されている。

次のア)〜キ)の「リスク認識」に関する記述のうち,誤っているものの数を①〜⑤の中から選べ。

ア)リスクの「客観的評価」の手法が,周到で専門的になればなるほど,それを完全に理解できる人の数は少なくなり,特に一般の人々はそれを細部まで理解することができなくなる。つまり,「客観的評価」の是非を,一般市民が評価できないという状況が生じる。
イ)たとえリスクの「客観的評価」の手法が理解できたとしても,一般の人々のリスクに対する認知は,単にリスクの「客観的評価」のみに左右されるのではなく,主観的要素や地域的・文化的・経済的要素など,その他の多くの要素からも強い影響を受ける。
ウ)リスクに直面するまでの時間による影響がある。例えば,ある人が来週に心臓の大きな手術をうけなければならなくなり,その手術が失敗する確率は10%であると医師から告げられたとき,その人にとっては,50年後に環境問題が深刻化して多くの人が死亡することのリスクよりも1週間後の手術のリスクの方がより大きく認知される。
エ)自由意志によって選択されたリスクと受動的に受けるリスクとでは,人間のリスクに対する認識が大きく異なる。自由意志による選択であれば,人は危険を伴うスポーツや特別な交通手段など,かなりの大きなリスクも受け入れるが,受動的に受けるものであると,小さいリスクでも拒否することが多い。
オ)近い時期に起こった災害や,マスメディアでの報道量が多い種類の事故については,関連する記憶が利用しやすい状態であるため,リスク認知が高くなる。
カ)仮に一般の人々と専門家が同じように「被害の大きさと生起確率の積」という形でリスクを認知していれば,認知バイアスの影響があったとしても,同じ結論に至る。
キ)被害の大きさについては,客観的にはまったく同じ情報であっても,その提示の仕方によって異なる認知のされ方をすることがある。例えば,まったく同じ結果であっても,利益の枠組み(フレーム)と損失の枠組みで情報を提示した場合,その心理的インパクトは異なり,損失のフレームのインパクトの方が強い。

選択肢

0
1
2
3
4

 

答え

 ②

解説

ア)正しいです。

イ)正しいです。

ウ)正しいです。

エ)正しいです。

オ)正しいです。

カ)認知バイアスにより結論が変わる場合があるため、誤りです。

キ)正しいです。