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技術士の技事録

情報工学部門の技術士が、IT技術動向、資格対策等を、勝手気ままに語ります。

技術士第一次試験適性科目 平成26年度 Ⅱ-15

問題

公衆衛生分野における科学技術者やリスク管理者が,規格基準や規制などのリスク管理措置を検討並びに意思決定する際に考慮される原則として,ALARA(as low as reasonably achievable)の原則がある。
この「合理的に達成可能な範囲で,できる限り低くする」という原則に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

選択肢

我が国はもとより国際的にも放射線防護に関する技術的基準の考え方は,国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を尊重して検討されてきた口直近の2007年ICRP勧告で,特に重視されているのが「防護の最適化」である。「これ以上放射線量が低ければ,確率的影響(がんや遺伝的影響)のリスクがないという「しきい値」は存在せず,「どれだけ線量が低くてもその線量に応じたリスクが存在する」という考え方にもとづいて,合理的に達成可能な範囲で,できる限り被ばく線量を低減しよう(as low as reasonably achievable)とするのが「最適化」の考え方である。
このALARAの原則には,「経済的,社会的要因を考慮して」という条件がついている。できるだけ被ばく線量は低く抑えようと努力する一方で,低い被ばく線量をさらに最小化しようという努力がその効果に対して,不釣り合いに大きな費用や社会的な制約・犠牲を伴う場合にはよしとしない,ということである。
しかしながら,自然放射線(大地放射線や屋内ラドン)の高い地域を抱える国々では,その地域の被ばく実態や低減に要する費用,住民の社会的な制約・犠牲を考慮することなく,被ばく線量を低く抑える施策を常に優先すべきであるとした国際的な合意形成がなされている。
またALARAの原則は,放射線防護の分野に限らず,食品安全の分野においても適用されている。コーデックス委員会(国際食品規格委員会)において,食品中の汚染物質の低減や基準値設定に用いられているほか,厚生労働省でも「食品中の汚染物質に係る規格基準設定の基本的な考え方」にも適用されている。
すなわち,我が国の食品中の汚染物質の規格基準を設定する際に,コーデックス規格が定められている食品については,国内に流通する食品中の汚染物質の汚染実態及び国民の食品摂取量等を踏まえ検討したうえで,そのコーデックス規格が適当とされれば採用する。また,その採用が困難な場合は,関係者に対し汚染物質の低減対策に係る技術開発の推進等について要請を行うとともに,必要に応じて,関係者と連携し,ALARAの原則に基づく適切な基準値又はガイドライン値等の設定を行うとしている。

 

答え

 ③

解説

① 適切です。

② 適切です。

③ 自然放射線の防護も考慮する必要があるため、不適切です。

④ 適切です。

⑤ 適切です。