読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

技術士の技事録

新米技術士が、IT技術動向・高度資格試験対策等、現役SE向け情報を発信します。

SA H24秋 午後Ⅱ 問2

◀️ 前へ解答例へ次へ ▶️

障害時にもサービスを継続させる業務ソフトウェアの設計について

 業務におけるシステムの重要性の増大に伴い,システムの障害時にもサービスを継続させることが重要になっている。システムアーキテクトは,サービス継続の方針に基づいて,機器の二重化などハードウェア面での対策だけでなく,障害時に継続運用を可能にする業務ソフトウェアを設計する。
 例えば,小売業で“来店する顧客が通常どおり商品を購入できること",金融業で“決済取引を止めないこと”がサービス継続の方針である場合,システムアーキテクトは,次のように障害時にも継続運用を可能にする業務ソフトウェアを設計する。

  • 小売業で本部と店舗のシステムが連携してPOS売上処理を行っている場合,本部システムの障害に備え,POS売上処理を店舗システム単独で稼働可能にする。このため,店舗システムにPOS売上データを一時的に保持する機能を用意しておく。
  • 金融業で,ネットワークの処理能力が大幅に低下するような障害に備え,障害時に決済取引以外の処理を一時的に停止する機能を用意しておく。

 このような,継続運用を可能にする業務ソフトウェアを設計する際,更に次のような継続運用に備えた処理や障害復旧処理における工夫をする。

  • 通常時に,本部のマスタを更新する都度,店舗のマスタも同時に更新し,いつでも店舗システム単独での稼働に切り替えられるようにする。また,店舗での欠品を防止するために,復旧後,配送頻度の高い食品などの発注データを優先的に処理する。
  • ネットワークの処理能力の回復後,停止させていた業務を再開するとともに,全業務が利用可能であることを利用者の画面上に表示する仕組みを用意する。

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア

 あなたが開発に携わった,障害時にも継続運用を可能にするシステムについて対象業務とシステムの概要,サービス継続の方針について,800字以内で述べよ。

設問イ

 設問アで述べた方針に基づいて,障害時にもサービスを継続することにした処理は何か。また,継続運用を可能にするために業務ソフトウェアをどのように設計したか。800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ

 設問イで述べた業務ソフトウェアの設計で,継続運用に備えた処理や障害復旧処理においてどのような工夫をしたか。600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 業務におけるシステムの重要性の増大に伴い,システムの障害時にもサービスを継続させることが重要になっている。システムアーキテクトは,サービス継続の方針に基づいて,機器の二重化などハードウェア面での対策だけでなく,障害時に継続運用を可能にする業務ソフトウェアを設計する。
 本問は,対象業務と対象システムの概要及び障害時のサービス継続の方針について述べることを求めている。また,その方針に基づいて障害時にもサービスを継続することにした処理と,継続運用を可能にするための業務ソフトウェアの設計を述べ,継続運用に備えた処理や障害復旧処理における工夫について,具体的に論述することを求めている。論述を通じて,システムアーキテクトに必要な,業務の特徴を踏まえた業務ソフトウェアの設計能力を評価する。

採点講評

 問2(障害時にもサービスを継続させる業務ソフトウェアの設計について)では,サービス継続の方針に基づいて,サービスを継続する処理と,継続運用を可能にするための業務ソフトウェア設計について論述することを期待したが,そのような論述は少なかった。多くの受験者が,問題文で除外しているにもかかわらず,機器やデータベースの二重化など業務ソフトウェア面以外での対策について論述していた。また,“継続運用に備えた処理や障害復旧処理においてどのような工夫をしたか”と問うているにもかかわらず,“継続運用を可能にするための設計”に関する工夫を記載している論述も散見された。
 システムは,常に正常に稼働しているとは限らない。システムアーキテクトとして,システム障害時の業務も想定した設計を心掛けてほしい。