技術士の技事録

新米技術士が、IT技術動向・高度資格試験対策等、現役SE向け情報を発信します。

SA H28秋 午後Ⅱ 問3

◀️ 前へ解答例へ次へ ▶️

組込みシステムにおけるオープンソースソフトウェアの導入について

 組込みシステムに要求される機能は,年々専門化,高度化しているが,その一方で開発期間は短縮化が求められている。これを解決する方法として,社内で保有していない技術及び標準的な機能は,外部からOS,ライブラリ及びプラットフォームを導入して実現することがある。外部技術の導入に際し,例えばLinuxなど,ソースコードが公開されているオープンソースソフトウェア(以下,OSSという)を利用することがある。また,プラットフォームの採用に際し,顧客からAndroidなどのOSSを使うように要求されることもある。
 OSSの多くは無償で利用できる。また,多数の人が利用し開発した成果が更にOSSとして公開されていたり,標準的な装置のデバイスドライバが提供されていたり,インタフェースがデファクトスタンダードになっていたりして,開発者の利便性が高い。
 しかし,0SSは市販品とは異なり,一般的には保証やサポートがない。また,OSSの使用許諾条件には,自社開発部分の外部への開示を要求されるものがあるなど,利用においての注意点がある。組込みシステムでは,性能要件達成,独自ハードウェア制御などのために,OSS部分に手を加えたり自社開発ソフトウェアと組み合わせて使ったりすることがあるので,関係部署を交えた協議を要することがある。
 このように組込みシステムのシステムアーキテクトは,OSS導入に際して,自社開発ソフトウエアとOSSとをどのように組み合わせるかについて,利点,注意点などを考慮してシステム構築を検討する必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア

 あなたが携わった組込みシステムの概要と,OSS導入の是非を検討するに至った経緯を,0SS導入の目的を含めて800字以内で述べよ。

設問イ

 設問アで述べた組込みシステムの構築において,OSS導入の是非を検討した際に,関係部署とどのような協議を行い,OSS及び市販品と自社開発ソフトウェアとの組合せに関してどのような考慮をしたか,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ

 設問アで述べた組込みシステムの構築において,OSS導入の是非を検討した際に,関係部署とどのような協議を行い,OSS及び市販品と自社開発ソフトウェアとの組合せに関してどのような考慮をしたか,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 近年,オープンソースソフトウェア(以下,OSSという)を利用した組込みシステムが増えている。
 本問では,組込みシステムへのOSS導入の利点,注意点などを踏まえ,OSS導入に際しての関係部署との協議内容,OSSの適用方法についての考慮事項,及び開発時に下した判断の妥当性について具体的に論述することを求めている。論述を通じて,システムアーキテクトに必要な,設計能力と統合力を評価する。

採点講評

 問3(組込みシステムにおけるオープンソースソフトウェアの導入について)では,システムへの外部技術の導入において,オープンソースソフトウェアのもつ利点と注意点を関連部署と検討し,非採用の決定を含め自社開発ソフトウェアとの組合せを考慮したシステム設計の実践経験をうかがわせる論文を期待した。全体的に適切に論述されているものが多かった。一方,システムの一部の構成要素の記述だけであったり,既存のシステムの説明となっていたりして,オープンソースソフトウェアの検討への関与がうかがえない論述も散見された。