技術士の技事録

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SM H23秋 午後Ⅱ 問2

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キャパシティ管理について

 応答時間,処理時間などのITサービスの状況や,CPU使用率,ストレージ使用量などのITリソースの状況を常時監視し,現在及び将来のキャパシティに関する様々な問題に対して迅速かつ適切に対応することは,ITサービスマネージャの重要な業務である。
 例えば,監視作業を通じて,次のような問題を発見することがある。

  • 特定の時間帯に,オンライン処理の応答時間が悪化する。
  • 特定のディスクにアクセスが集中し,Webアプリケーションがタイムアウトする。
  • 夜間バッチの処理時間が延び,翌日のオンラインサービス開始に影響する。

 このような問題の解決に向けて,リソースの増強,システムのチューニングだけでなく,サービス内容の検証,業務内容の見直し提案などの様々な角度から,複数の対応策を検討する必要がある。実施する対応策の決定に当たっては,問題の重要度や緊急度,対応策の作業難易度や作業期間,費用などを総合的に評価しなければならない。
 また,問題への対応策の立案・実施に加えて,キャパシティに関する要件の把握方法の改善,リソースの増強要求のキャパシティ計画への確実な反映,リソースの監視方法の変更などのキャパシティ管理方法自体の見直しを行うことも重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア

 あなたが携わったITサービスの概要と,監視作業を通じて発見したキャパシティに関する問題及びその問題によるITサービスへの影響について,800字以内で述べよ。

設問イ

 設問アで述べた問題の解決に向けて検討した対応策を列記せよ。また,実施することに決定した対応策の内容と,そう決定した理由は何か。800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ

 設問アで述べた問題に関連して行ったキャパシティ管理方法自体の見直し内容について,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 キャパシティに関する様々な問題を的確に発見し,分析して効果的に解決していくためのキャパシティ管理は,ITサービスマネージャの重要な業務である。
 本問は,監視作業を通じて発見された問題に対して,様々な角度から立案した複数の対応策と,実施することに決定した対応策の内容と決定した理由について,具体的に論述することを求めている。併せて,キャパシティ管理そのものに問題がないかといった観点でのキャパシティ管理自体の見直しについても論述することを求めている。論述を通じて,ITサービスマネージャとして有すべき問題分析能力,対策立案能力,改善能力などを評価する。

採点講評

 問2(キャパシティ管理について)では,監視作業を通じて発見したキャパシティに関する問題に対して,様々な角度から検討した対応策と,キャパシティ管理そのものの見直しについて論述することを求めた。キャパシティ管理を日常的に実践している受験者には容易であったようで,経験の伺える良質の論述が多かった。一方で,例えば顧客からのクレームによって初めて問題に気づくなど,監視活動が十分でないと推測される論述も少なからず見受けられた。また,キャパシティ管理方法自体の見直しについては,発見した問題に対する表層的な対応が少なくなかった。これは,サービスマネジメント全体の中でキャパシティ管理を捉えなおすという,ITサービスマネージャとして果たすべき高い視点からの業務の経験が乏しいことに起因するものと推測される。キャパシティ管理はITサービスマネジメントにおける基本的な活動の一つであり,ITサービスマネジャによる確実な実施と的確な見直しを期待したい。