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技術士の技事録

新米技術士が、IT技術動向・高度資格試験対策等、現役SE向け情報を発信します。

SM H23秋 午後Ⅱ 問3

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ITサービスの改善活動について

 ITサービスの現場では,サービスに影響を及ぼす重大な障害やサービスに直接影響を及ぼさない軽微なミスが発生したり,他方では,サービスに対して顧客から高い評価を受けたりするなど,様々な事象が発生する。ITサービスマネージャには,これらの事象に対して,適切な対応を行うとともに,対応を通じて得られた成果を組織全体に展開するなどのITサービスの改善活動を実施することが求められる。

① 事前予防策や再発防止策を講じ,その成果を整理する
 軽微なミスが続いた場合は,基本動作や手順に問題はないかなど,全ての作業を点検し,重大な障害とならないように事前に予防する。サービスに影響を及ぼす重大な障害が発生した場合は,リリースのプロセスに問題はなかったか,障害発生後の対処は適切であったか,などの様々な観点から原因を究明して再発を防止する。その上で,対策の内容,検討の経緯,実施の結果などを成果として整理する。

② 顧客から高い評価を受けた取組みなどを分析し,その成果を整理する
 満足度調査などで顧客から高い評価を受けた取組みや,高い目標を達成した取組みについて,評価の理由や目標達成の成功要因を分析する。その上で,取組みの内容,分析の結果などを成果として整理する。

③ ①,②で得られた成果を組織全体に展開する
 展開に当たっては,成果を発表する場を設けたり,組織全体への展開状況を確認したりするなどの工夫が必要である。

 

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア

 あなたが携わったITサービスの概要と,ITサービスの改善活動の対象とした事象について,800字以内で述べよ。

設問イ

 設問アで述べた事象に対して実施した対応と得られた成果について,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ

 設問イで述べた成果の組織全体への展開について,工夫した点を中心に,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 ITサービスの現場では,サービスに直接影響を及ぼさない軽微なミスからサービスに影響を及ぼす重大な障害や,顧客からの高い評価やクレームなど,様々な事象が発生する。ITサービスマネージャは,これらの事象に対して,適切な対応を行うとともに,対応を通じて得られた成果を組織全体に展開するなどのITサービスの改善活動を実施することが求められる。
 本問は,改善活動の対象とした事象への対応と,対応を通じて得られた成果について具体的に論述することを求めている。併せて,成果の組織全体への展開についても,工夫した点を中心に論述することを求めている。論述を通じてITサービスマネージャが有すべき問題分析能力,改善能力,組織展開能力などを評価する。

採点講評

 問3(ITサービスの改善活動について)では,ITサービスの現場で発生する様々な事象に対する改善活動と,得られた成果の組織全体への展開について論述することを求めた。ITサービスに関わる者であれば何らかの改善活動の経験があるものと想定され,多くの受験者にとって取組みやすかったものと推察する。しかし,改善活動についての論述では,事象から改善策を導くための考察が十分ではないものや,主体的に活動した様子が伺えないものなど,ITサービスマネージャとしての知見や行動が読み取れない論述が少なからず見受けられた。さらに,成果の組織全体への展開については,問題文から引用しただけのものが目立ち,積極的に組織に働きかけた経験のない受験者が多いようである。ITサービスマネージャの職務は組織と密接している。組織にどう働きかけるのか,そのためにどんな努力や工夫が必要かを常日頃から意識しておく必要があろう。