技術士の技事録

新米技術士が、IT技術動向・高度資格試験対策等、現役SE向け情報を発信します。

SM H24秋 午後Ⅱ 問2

◀️ 前へ解答例へ次へ ▶️

ITサービスの継続性管理について

 大規模災害や社会的に影響が大きい事件・事故など,ITサービスを停止させる不測の事態の発生は避けられない。このような事態に備え,ITサービスをあらかじめ決められた範囲で復旧させ,顧客のビジネスへの影響を最小限にとどめられるようにしておくこと(ITサービスの継続性管理)は,ITサービスマネージャの重要な業務である。
 ITサービスマネージャは,不測の事態に備えて,ITサービス復旧に向けた対策を準備しておくだけでなく,その対策を確実に機能させるために,日頃から,例えば次のような活動を行う必要がある。

  • 定期的に研修,復旧訓練(トレーニング)を行う。
  • システム変更などによって,復旧すべきサービスの内容に変更が生じた場合には,速やかに対応マニュアルの改訂を行う。
  • 顧客の組織改定や人事異動などに応じて連絡体制や実施体制を更新する。

 また,顧客の事業環境や外部環境などの変化に応じて,復旧に向けた対策の大幅な見直しを行うことも必要となる。例えば次のようなものがある。

  • 顧客のビジネス環境の変化に伴う事業継続計画の変更に合わせた見直し
  • 従来想定していなかった規模・種類の災害などの発生とその復旧に向けた取組みを参考にした見直し

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア

 あなたが携わったITサービスの概要と,不測の事態に備えて,ITサービス復旧に向けて準備した対策の概要について,800字以内で述べよ。

設問イ

 設問アで述べた対策を確実に機能させるための日頃からの活動について,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ

 設問アで述べた対策の大幅な見直しについて,見直しの理由とともに,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 大規模災害や社会的に影響が大きい事件・事故など,ITサービスを停止させる不測の事態の発生は避けられない。このような事態に備え,顧客のビジネスへの影響を最小限にとどめられるようにしておくこと(ITサービスの継続性管理)は,ITサービスマネージャの重要な業務である。
 本問は,不測の事態に備えてITサービス復旧に向けて準備した対策と,その対策を確実に機能させるために日頃から行っている活動について,具体的に論述することを求めている。併せて,顧客の事業環境の変化などに応じて行った,対策の大幅な見直しについても論述することを求めている。論述を通じて,ITサービスマネージャとして有すべき問題分析能力,対策立案能力,改善提案能力などを評価する。

採点講評

 問2(ITサービスの継続性管理)では,大規模災害や社会的に影響が大きい事件・事故など,不測の事態に備えたITサービス復旧に向けた対策について,その対策を確実に機能させるために日頃から行っている活動と,対策の大幅な見直しについて論述することを求めた。東日本大震災の発生など,ITサービスの継続性管理の重要性が見直されてきており,実務経験のある受験者にとっては論述しやすいテーマであったようで,良質の論述が多かった。一方で,問題文の引用に終始し,見識や考察の乏しい論述が見受けられたが,これは十分な実務経験がないことによるものと推測する。また,通常のシステム障害に対する施策と混同している論述も見受けられ,継続性管理を必ずしも正しく理解していないと推察する。なお,顧客の事業環境まで踏み込んだ論述がほとんど見受けられなかったことは残念である。