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ST H23秋 午後Ⅱ 問3

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組込みシステムの企画・開発計画におけるリスク管理について

 組込みシステムの企画・開発計画の策定及び開発計画の推進などのプロセスには様々なリスクが存在する。これらのリスク管理について,組込みシステムのITストラテジストには,十分な知識,並びに,リスク分析結果の評価能力及び対応策決定能力が求められる。
 企画・開発計画の策定において実施すべきリスク管理の対象は,市場動向,販売開始時期,価格設定,知的財産,標準規格,製品の安全性などである。
 リスク管理では,次に示すようにリスク分析,リスク評価を行う。

(1)リスク分析では,まず,プロセスの成否に関わる要素に対して,直接的,間接的に影響を及ぼすリスク源を抽出する。次に,リスク源の発生頻度と影響度を求める。リスク分析で重要なのは,想定されるリスクとそのリスク源を全て洗い出すことである。

(2)リスク評価では,リスク分析の結果に基づいて,経営へのインパクトなどを評価し,どのリスク源に対して対応策を実施するのか,優先順位を含めて決定する。対応策には,リスク源の発生頻度や影響度の低減,リスクが現実化した場合の損失の移転・軽減などがある。対応策は,コストと有効性を評価して決定することが重要である。

 

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア

 あなたが携わった組込みシステムの企画・開発計画の策定において,市場動向を踏まえた企画の背景及び目的,並びに,その企画・開発計画の策定におけるリスク管理の概要について,800字以内で述べよ。

設問イ

 設問アで述べたリスク管理で,対応の優先順位が高いと決定したリスク源を順に三つ挙げ,それぞれの発生頻度,影響度及び対応策について,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ

 設問イで述べた対応策の有効性について,どのように評価したか。対応策を実施した各部門など他者からの評価も含めて,600字以上1,200字以内で具体的に述ベよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 出題趣旨組込みシステムの企画・開発計画を策定し,推進するときには,リスク管理が必要である。組込みシステムのITストラテジストには,リスク管理についての十分な知識と,リスクを分析し,評価した上で対策を決定することが求められる。
 本問は,組込みシステムの企画・開発計画を題材として,リスク分析結果をどのように評価し,どのような対応策を決定したか,また,その有効性をどのように評価したかについて,具体的に論述することを求めている。論述を通じて,組込みシステムのITストラテジストに必要なリスク分析結果の評価能力,対応策決定能力などを評価する。

採点講評

 問3(組込みシステムの企画・開発計画におけるリスク管理について)では,おおむねITストラテジストとしての視点から,設問の趣旨を理解して論述しているものが多かった。しかし,具体的な分析手法や対応策,多面的な評価などによって経験や知識をうかがわせる論述がある一方,リスクとリスク源の混同など,リスク管理についての理解が不足していると思われる論述も散見された。